
年齢を重ねるにつれて体力や筋力の低下を感じる方は多いでしょう。そんななかでも、健康的な生活を維持するためには、日々の運動習慣が欠かせません。そこで、今回は運動の重要性や適切な頻度についてくわしく解説します。高齢者におすすめの運動や、無理なく続けるためのポイントも紹介するので、ぜひ参考にしてください。
高齢者にとっても運動は大切!
高齢者にとって運動が大切であることは、医学的にも多くの研究で証明されています。年齢とともに筋肉量や骨密度は減少し、バランス感覚も低下していきます。その結果、転倒による骨折や寝たきりのリスクが高まり、最終的には要介護状態につながることもあるでしょう。そうしたリスクを防ぐためにも、適度な運動によって体力の維持・向上を図ることが重要です。また、身体的な効果だけではなく、運動は認知機能や精神面の安定にもよい影響をもたらします。
たとえば、外に出て歩くことや仲間と一緒に体を動かすことは、気分転換や孤独感の解消につながります。加齢による体の変化に不安を抱える方も、運動を生活に取り入れることで自信を取り戻せるでしょう。
適切な運動の頻度・時間は?
では、高齢者にとってどの程度の運動が適切なのでしょうか。厚生労働省が公表している「健康づくりのための身体活動・運動ガイド」では、65歳以上の高齢者に対し「強度を問わず、週3日以上の頻度で40分以上身体を動かすこと」が推奨されています。ただし、運動の強度は個々の健康状態や体力によって異なるため、無理のない範囲で始めることが大切です。たとえば、普段あまり運動習慣がない方であれば、1日10〜15分程度のウォーキングからスタートしてみてもよいでしょう。
慣れてきたら少しずつ時間や回数を増やし、週に3〜5回の運動を目安にしていくのがおすすめです。激しい運動をする必要はありません。継続できる運動を見つけて、コツコツと続けることが成果につながります。
高齢者におすすめの運動
高齢者が安心して取り組める運動には、さまざまな種類があります。身体の状態や生活スタイルに合わせて、取り組みやすいものを選ぶことが大切です。まずは有酸素運動の「ウォーキング」が代表的な選択肢です。道具も必要なく、屋外で自然を感じながら歩くので、心身のリフレッシュにもなるでしょう。また、毎日決まった時間に歩くことで生活リズムが整い、認知症予防にも役立つといわれています。
次におすすめなのが「ストレッチ」や「体操」です。筋肉や関節の柔軟性を高めることで、けがの予防にもつながります。とくに、自宅でテレビや動画を見ながらできる「椅子体操」や「ラジオ体操」などは、体力に自信がない方にも無理なく取り組める内容です。
また「筋力トレーニング」も高齢者に効果的です。筋力トレーニングといっても、重いダンベルを使う必要はありません。自重を使ったスクワットや、軽いチューブを使ったトレーニングでも十分に筋力アップが期待できます。
フィットネスジムには、自分が動かすスピードで運動負荷が決まる油圧式マシンもあるので、高齢者の方にもおすすめです。筋肉を鍛えることで歩行が安定し、転倒予防にも効果があるでしょう。
くわえて、音楽に合わせて体を動かす「ダンス」や、水中での負荷が少ない「水中ウォーキング」なども、高齢者に人気のある運動です。楽しく体を動かせることで、長続きしやすいのもポイントといえるでしょう。
無理なく続けることが大切!続けるコツは?
どんなに効果のある運動でも、継続できなければ意味がありません。運動を無理なく続けていくためには、ちょっとした工夫が必要です。まず重要なのは「目標を明確にする」ことです。たとえば「毎日10分歩く」「1日おきにストレッチをする」といったように、具体的な目標を立てることで達成感を得られやすくなります。また、日々の記録をつけておくことで、自分の頑張りを振り返ることが可能となり、モチベーションの維持にもつながるでしょう。
次に大切なのが「仲間と一緒に取り組むこと」です。自治体の健康教室や地域の運動サークル、あるいは家族と一緒に運動するなど、誰かと一緒に体を動かすことで、楽しさが倍増します。
人との交流があることで、継続のハードルも下がるでしょう。さらに「無理をしない」ことも忘れてはいけません。体調が優れないときや、痛みを感じるときは、無理をせず休息をとることが重要です。
自分の体と相談しながら、無理のない範囲で運動を習慣にすることが、長続きの秘訣といえるでしょう。また、高齢者向けパーソナルトレーニングジムなどで「運動のプロのサポートを受ける」ことも効果的です。
専門知識をもったトレーナーのもとで、安全かつ効果的に運動ができるため、安心感もあります。体力や体調に不安のある方こそ、こうしたサポートを活用するとよいでしょう。