
今回は、年齢とともに筋力が衰えていくサルコペニアについて、予防法を紹介します。サルコペニアは、標準的な筋肉量より筋肉量が減少してきて、最悪の場合介護が必要になる症状です。健康寿命を高めるためには、サルコペニアを事前に予防することが必要です。本記事では、サルコペニアの原因や症状、そして予防法について紹介します。
サルコペニアってどんな状態?原因は?
サルコペニアという言葉を初めて聞いたという方もいるのではないでしょうか。サルコペニアがどのような状態なのか、原因について紹介します。サルコペニアとは
サルコペニアとは、かんたんにいうと筋肉量が減少していく症状です。別名で、加齢性筋肉減弱現象と呼ばれることもあります。サルコペニアになると、歩行や起き上がることなど、日常生活において必要な動作が困難になる場合があります。また、サルコペニアには一次性と二次性があり、一次性は加齢による筋肉の減少が原因となって起こる症状です。二次性は活動量や疾患によるものなど、加齢以外の原因で発症するものです。
サルコペニアのおもな症状
サルコペニアを発症すると、頻繁につまづいたり歩く速度が遅くなることがあります。また、握力が低下してふたを開けられない、ふくらはぎが痩せるなどの症状が現れます。高齢者にありがちな転倒による事故のリスクを考えると、すぐに病院を受診したほうがよいでしょう。サルコペニアの原因とは
サルコペニアを発症すると、筋線維の数と筋横断面積の減少が進行しますがその原因はいまだに不明です。ただ、おもな原因としては食生活やたんぱく質不足が原因と考えられています。とくに、高齢になると筋肉量が減少し、分解される量が少なくなるため、一般的な生活を送っていても筋肉量の減少は避けられないでしょう。
サルコペニアかどうか心配なときはチェックしてみよう!
サルコペニアが心配な場合は、セルフチェックで自己診断できます。どのように、サルコペニアの自己診断について紹介します。サルコペニアセルフチェック
まずは、日常生活において4~5㎏のものを運ぶのに、どのくらい大変かチェックします。次に、部屋の中を歩くのに、椅子やベッドから移動するのにどのくらい大変かをチェックしましょう。また、家に階段があれば、10段上るのにどのくらい大変か、ここ1年で何回くらい転倒したかチェックしましょう。少し大変を1点・とても大変を2点にして、合計点数が4点以上であればサルコペニアの可能性が高いといえます。
ロコモティブシンドローム
サルコペニアに似ている症状として、ロコモティブシンドロームがあります。ロコモティブシンドロームは、サルコペニアと同じ症状が出ますが、運動に必要な体の仕組みがうまく働かなくなることが原因で発症する症状です。フレイル
フレイルも、サルコペニアと似た症状が出ます。ただ、筋肉や骨などの身体機能がうまく働かなくなるだけではなく、認知機能の低下も同時に発症します。とくに、ひとり暮らしされている高齢者の方は、要介護状態に陥りやすいため注意が必要です。サルコぺニアを予防するポイント
サルコペニアにならないために、予防することが必要です。サルコペニアを予防するポイントについて紹介します。サルコペニアを予防する運動
サルコペニアを予防するポイントとして、運動を日ごろから行うことが大切です。ウォーキングなどが効果的ですが、なかなか屋外に出られない方は家の中でも手軽にできることがあります。まずは、腰や足を中心としたストレッチを行いましょう。たとえば、椅子に座りながら手を上下し、ゆっくり10回深呼吸をするだけでもストレッチになります。また、椅子に座りながら足を交互にひざを伸ばすだけでもサルコペニアを予防する運動につながります。
サルコペニアを予防する食事
70歳以上になると、自然に食事量が減少していくという調査結果があります。ただ、年齢とともに食事の吸収量も減少していくため、食事の量を控えめにしなくてはいけないということはありません。食事で気を付けることは、お米やおかずを手で乗せられる量を目安に食べることをおすすめします。この量を基準にすることで、1日に必要な量が目安としてわかるでしょう。
パーソナルトレーニングジムもおすすめ
サルコペニアを予防する方法として、食事・運動がいかに大切なのかが分かるでしょう。もし、時間に余裕がある方は高齢者向けパーソナルトレーニングジムへ通うのもひとつの手段です。ジムであれば決まった時間に行くなど、ライフスタイルに合わせて運動ができるためおすすめです。最近では、こうしたジムがさまざまな場所に点在しているため、安心して通えるといえます。